フェイス・ド・block 5
B「で、だ。お前ら、カネを持ってこい」
A、C「カネェ??」
B「そう、金だ。このゲームは、この町内を散策しながら行うRPGだ。そして、途中で離脱することはできない。お前らだって腹は減るだろ?それに、何が起こるかわかんないから、金はあったほうがいい」
A「なるほど金か。5,000くらいあればいいかな?」
B「まぁ、充分だろ。それよりお前ら、ホントに誰にもこのこと言ってないだろうな?」
A「勿論。妹がなんか、怪しんでたけど…」
C「ン…。勿論」
B「…おい、C?」
A「まさか誰かに漏らしたのか?」
C「いや、そうじゃねぇよ。ただ、昨日のことが気になってな…」
B「なにがあった?」
C「昨日の昼休みにさぁ。俺のクラスにDって娘いるだろ?あのメガネの」
B「あー、あの娘ね!隠れ巨乳なのではって、俺のクラスでウワサの娘だ」
C「そうなのか?で、Dが俺に話しかけてきたわけよ。『明後日の土日、ヒマ?』ってね」
C「これはもしやデートの誘いか?って思ったんだけど、俺は根っからのゲーマーだからな。断ったんだ。『いや、土日は用事がある』って言ってよ」
C「そしたら彼女、笑いながら『やっぱりね』ニタニタ って言うんだ」
B「やっぱりね…?なんだ、その子このゲームのこと知ってんのか?」
C「俺に聞かれても分かんねぇよ。でもよー、なんで俺の予定が知られてんのかな、って、ちょっと不気味なんだよ」
A「なるほど…。だが、例えそのDが今回のこと知っててもよ、別にいいんじゃないか?真面目そうな娘だし、問題は起こさないだろ」
B「うーん、でもまぁ、C、お前が誰かに言ったわけではないんだよな?」
C「それは確かだ。家族にも言ってない。家政婦さんにもな」
B「じゃあまぁ、良しとしよう。もう明日だしな。言っとくが、そのアパートまでは、歩きで来るんだ。自転車は使うなよ?」
C「車で送ってってもらっていいか?」
B「馬鹿かお前。なんのために家族に内緒にしてんだよ」
C「あ、そっか。でも、なんで歩きなんだ?」
B「俺に聞くなよ。親父に言われたんだよ」
A「そういうことなら、構わないが」
C「いよいよだなー」
B「じゃ、また明日な!」
3人は駅で別れ、それぞれの帰路についた。
A(……Dって娘、確かこの町に住んでたよな……?)